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「ドイツ写真の現在」感想文集(3)
LorettaLuxロレッタ・ルックス編
「うーん、なんか気持ち悪いなあ」
というのが第一印象。
「あー、やっぱり気持ち悪いなあ」
と、第2印象。
*
子どものイメージである。(あえて「写真」とは言わない)
ただし、デジタルでかなり加工されている。
デジタルカメラで撮った子どもの写真を加工し、
背景の写真または絵を合成している。
気持ち悪さの源は、まず肌。
透き通るような、なんともいえない質感。
汚れのない、無垢な、宗教画の天使のようだ。
あと、気のせいかもしれないが、胴体に比べて頭が大きいような気がする。
体のバランスが微妙に変。
さらに、これも気のせいかもしれないが、顔の大きさに比べて目が大きいような気がする。
(そういうモデルを選んでいるのかもしれないし、コンピュータでいじっているのかもしれない)
ここまで考えて気がついたのだが、これらの写真の特徴「無垢」「大きな頭部」「大きな目」は、
人が子供をイメージするときのある種の理想ではないだろうか。
つまり、これらの写真は、私たちが理想とする子ども像を具体化したイメージではないか。
私には、理想を追求した子ども像がいかに気持ち悪いものかをこの写真が語っているように思える。
*
第2印象のさらなる気持ち悪さは、
このようなイメージを本当に理想的なものとして見る人がいるのではないかということだ。
このイメージに、萌える人がいるんじゃないか、と・・・
確かにこのイメージ、不思議に人をひきつける。
違和感と魅力を併せ持っていて、なかなか際どい。
その際どさが、この作品の面白さで、
実は私も惹き付けられている一人でなのである。
- 作者: Loretta Lux,Francine Prose
- 出版社/メーカー: Aperture
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