最近読んだ本。
赤瀬川原平「鵜の目鷹の目」。
赤瀬川原平氏が写真を徹底的に見る。そして書く。
よくぞここまで見るもんだ、とその視線の細かさに感心したり驚いたり笑ったり。
普通写真を論じるときには、作家の考えとか、撮影された背景とか、
そういうこと画面以外のことを含めて考えたりするものだが、
ここでは写真から見えること、あるいはそこに添えられているタイトルとキャプションだけにこだわっている。
見えるもの以外の情報をあえて取り入れようとしない姿勢は、
氏の路上観察の方法と関係があるのだろう。
徹底的に見る、そして徹底的に考えるその方法は、なにやらよたよたとした足取りだが、
確実に写真の核心に迫っている。

鵜の目鷹の目

鵜の目鷹の目