ここ何週間か、まったく本を読めなかったのだが、
久しぶりに本が読みたくなり本屋へ足を運ぶ。
が、久しぶりに本を読もうとすると、
何を読んでいいのかわからない。
せっかく久しぶりに読むのだから、
面白くないといやだなあ、
とか変な色気が出て本が選べない。
結局選んだ一冊は、
松浦寿輝の小説「半島」。
なんとなく、ストーリーのなさそうなところに惹かれた。
起承転結があると、文章を素直に味わえない。

松浦氏の本は今までまったく読んだことがない。
20年ぐらい前は詩壇で活躍していて、現代詩手帳などでその名前を見かけたが、
私にとってはその詩は難解でほとんど心に入ってくることがなかった。
今思い出そうとしても、何も思い出せず、
ただその難解なイメージが鼻の付け根の辺りに苦い味を生むのみである。

しばらく空っぽであった頭に、この小説が染み込むことはあるのか。
よくわからないが、まあ、読んでみよう。

半島 (文春文庫)

半島 (文春文庫)