バスに乗って、先々週から入院している義父の見舞いに行く。

シートにだらりともたれて、
ぼんやりと半開きの私の眼に街の桜が飛び込んでくる。

ああ、夢のようだな、
と半開きの脳みそが考える。

桜の季節は忙しい。
桜だけを見てすごしたいけれど、
他に見なければならないものがたくさんあって、
なかなかうまくいかない。

でも、だからこそ、
桜の季節が大切なのかもしれない。

妻の手術から、ちょうど一年。
咲き誇る桜の花に感謝する。