4月。

河川敷では、カワセミが遊ぶ。
青い光が風景に小さな穴をあける。

地面に落ちた木蓮のはなびらを撮っていたら、
通りがかった老人に話しかけられる。

遠くに咲きかけた桜を見ながら、
「桜の、花だけを愛するべきではないんだ」
と、老人。
「そうですね、樹を愛すれば、ずっと愛することができますね」
と、私。

桜の木の下の猫が、私を見て逃げようとするが、
眠気に負けて目を閉じてしまう。
そんな4月の午後。