都市について

最近読んだ本。
青木仁「快適都市空間を作る」。
最近都市の写真を撮っているので、
都市に関する本を読み漁っている。
私たちの住む都市が生活空間としていかに貧しいか、
それがどのようにしてできあがったのか、
さらにどのようにすれば快適になるのかということを説く書物。
行政の場で具体的に都市政策に関わってきた著者が、
かなり具体的に現在の都市の成り立ちを語っている。
私は、都市の風景がそこに住む人たちの無意識を表現しているものと考えているが、
この本を読むと、私が思っている以上にダイレクトに意識を表現していることがわかる。都市の混乱した風景は、私たちの混乱した内面を表しているのだ。
政策として生産性ばかりに重きを置いたこと、
個々が塀に囲まれた自分の敷地しか見ないことなどが、
現在の都市風景を生んでいる。
そこで、都市の風景をじっくりと時間をかけて見ること、
そして感じることが意味を持つ。
自分の撮る写真について具体的に考えるよい材料となる本であった。

快適都市空間をつくる (中公新書)

快適都市空間をつくる (中公新書)