飛行機と船を乗り継いで、遠い島にやってきた。
島に着いてから、ずっと雨が降っている。雨は、とても粒が小さく、落ちてくると言うよりは、島全体を包み込んでいる微小な水滴が静かに降りてくるようだ。
傘をさして、島内の集落を歩く。
島の道はほとんど舗装されていなくて、珊瑚が砕けた白い粒でできている。足を踏み出すと、ざらっとしているのにふんわりとしていて、足裏から気持ちの良い感触が伝わってくる。人気のほとんどない静かな集落を、何かに包まれるようにして歩く幸せ。
夕方、宿にもどる。
蛍が見れますよ、宿の人からきいていたが、雨のため会えず。期待していた星空もだめ。それでも、青空が強調されがちなこの南の島の雨の風景を体験できた。これはありがたいことだ。

夜、電気を消して窓を開けると、ひんやりとした空気と虫の声。
冬であることをすっかり忘れ、夜の空気に身を浸してねむる。

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