いつのまにか、ではなく、
襲いかかるように4月がやってきた。

大きな渦に巻き込まれ、
激流の中でわずかに見えたものを手でつかもうとする。
それでも、つかんだものは手からはなれ、溺れる。

夜、長い長い夢を見る。
私はずっと車を運転している。
免許を持っていないし、運転もしたことがないけど運転している。
アクセルを踏み、ブレーキを踏み、車は安全に前に進む(夢だから)。

着いた先は、生まれて育った家。
見た目はぜんぜん違うけれど、そういうことになっている(夢だから)。
「原点に帰れ」と夢が言う。
でも、「原点」てなんだ。

5年ぶりに職場がかわり、
なつかしい桜に会う。