田中長徳の「中判カメラ復興」を手に入れた。
約9年前に出版された本だが、出版社の倒産のためすぐに絶版になってしまっていた本。
この本が出版された頃、自転車で日本縦断をしていて、
本屋になかなか行けなかったのと、旅行のためにお金がなくて買えなかったことを思い出した。
その本を、先日ネットオークションで見つけて、けっこう安く入手できた。
よい時代である。

この本が出版された後、PENTAX、MAMIYA、CONTAX、FUJIから立て続けにセミ判のオートフォーカス一眼が発売され、
中判カメラは最後の輝きを見せる。
しかしその後、デジタル一眼レフの高画質化などにより、
中判カメラ界は一気に衰退する。
CIPA(カメラ映像機器工業会)のデータによると、
2006年6月の1ヶ月間に国内で出荷された中判カメラ大判カメラの合計は、
130台である。
これでは商売になるまい。
(ちなみに、デジタル一眼レフの出荷台数は33373台である)
私自身は中判カメラを3台持っているが、いずれも中古での購入であるから、
やはり売り上げには貢献していない。

9年前のこの本のタイトルに「復興」の字が含まれているように、
この時点ですでに中判カメラは衰退しており、
そして現在に至っては「絶滅」の危機に瀕している。
それでもやはり中判カメラは、写真で作品を作る人間にとっては重要な機材で、
私の周囲でもかなりの数の人が中判カメラを使っての制作に取り組んでいる。
「中判カメラ復興」は、今まさに緊急かつ重要な課題なのだが。